ホテルビーナス

ホテル ビーナス [DVD]
パソコンでうまく漢字で変換出来ない悲しい男、草なぎ剛の主演映画。外国で高い評価を受けたのもあって、レンタル屋に大量入荷してありました。特技を活かしてオール韓国語。
映像がキレイ、音楽がオシャレ。スタイリッシュな映画というイメージがあったのですが、ストーリーも切なくて良かったです。不器用ながらもそれぞれの幸せを模索しながら生きている、そんな人々の物語。
舞台は最果てのとある街、ホテルビーナス。そこで暮らすのは長期滞在者向けの安宿で働くチョナン(草なぎ)、元医者のドクター(香川照之)、その妻ワイフ(中谷美紀)、ホテルのオーナービーナス(市村正親)、花屋で働くソーダ(チョ・ウンジ)、自称殺し屋の少年ボウイ(イ・ジュンギ)、経歴不詳の男ガイ(パク・ジョンウ)、その娘サイ(コ・ドヒ)。全員本名は謎。お互いに深く干渉しない共同生活。心に傷がある人々の触れ合いを描いております。
暗い話なのにベタベタした湿っぽさが無いのは、セリフが多すぎないからだと思う。静かに淡々と進む感じです。
役者はハングルしか喋らないし、文字もハングル。でも韓国ともちょっと違うような無国籍な雰囲気の漂う世界観です。モノトーンに青を混ぜたような乾いた映像も効果的。
後半は結構盛り上がりますね。ドライな付き合いだった連中が色々な問題に直面して変化を起こし始めます。中でも無口な少女・サイがチョナンに心を開き始める描写が丁寧でじんわりきます。死んでるように生きていたチョナンのクライマックスの叫びは痛々しいほどに良かった。
そして最高に美しかったのは、ラスト近くでチョナンが丘にある墓の前に立つシーン。それまで色彩を抑えてきた映像だっただけに、空が眩しいほど青かった・・・。
情緒溢れる美しい映画でした。派手ではないけど、ミニシアター系の作品が好きな人にはオススメ。やっぱりSMAPの中では一番役者向きですな、ツヨポンは。情けない役が上手いです。キムタクらでは出来ない演技だと思う。(キムタクしか出来ない演技もあるとは思うが)脇も実力派がしっかり固めておりますよ。サイちゃん役の女の子が自然で可愛かったなぁ。他の日本の役者やらミュージシャンやらが随所に出てくるので、要チェック。